歩いて日本一周ブログ

歩いて日本一周する記録とか雑記

四万十の夜

星空

昨夜は見事な星空だった。

天の川がはっきりと見えた。

夏の大三角形、美しいはくちょう座、形良いこと座、さそり座にいて座…

何の星座があるのか分からない空白地帯がある。

そこにも星はあるのに。

 

スマホに星座早見盤のアプリを入れてあるので、それを見て新たに覚える。

りゅう座ヘルクレス座へびつかい座

 

知識が増えると、より楽しみ方が増える。

ただぼーっと眺めるのも良いし、星座を追うのも良い。

それにしても綺麗な夜空。

さすがは山奥。

 

流れ星が走りぬける。

 

 

歩く

普段歩く時、筋肉の動きなんて意識しないけれど、30kgを超える荷物を背負って歩く時、足を使っている実感がある。

一歩一歩踏みしめて、筋肉を働かせる。

 

高知市から、プロテインでタンパク質を十分補給し、歩く前と後にストレッチすることで、脚の筋肉が正常に働いている気がする。

それまではろくにいたわりもせず無理をさせていたから、筋肉が増えるどころか減っている気さえした。

 

正常に働く筋肉を動かして、歩くのは気持ちが良い。

歩いて、エネルギーがなくなってくると食事をして、血液が脚にエネルギーを運び、また歩く。

この動物的な一連の活動に、野性的な快感を覚える。

 

今日も歩く。

明日も歩く。

歩く歩く…

 

 

三里沈下橋

今日のキャンプ地に着いた。

暑いので服を脱いで四万十川に入る。

全身水に浸かって体を冷やした。

夏の川はこれができるから良い。

 

オカリナを吹き、本を読んで過ごす。

近くのカヌー、SUPなどを提供している店の客達が、川に来て遊ぶ。

彼らに聞かせるつもりでオカリナを吹いた。

 

下流に来たことで、薪が落ちている。

今日は焚き火ができる。

薪を集めてオカリナを吹いていると、三十代ぐらいのお兄さんに声をかけられた。

 

僕が日本を一周していると言って、聞かれたことに答えていると、すごく良い!と僕のしていることにいちいち喜んでいた。

河原で野宿して、オカリナを吹いて本を読んで、拾った薪で焚き火を起こして料理を作る。しかも結構ちゃんとした料理!

今日は昨日美味しかったのでナスを中心とした南蛮漬けだった。

お兄さんが「日本にはあなたみたいな人が必要だ。あなたみたいな人がいて嬉しい」と持ち上げるので、僕も悪い気はしない。

ただすっかり気分を良くして饒舌になったり余計なことを口走ったりしなくなったのは、僕は自分がそこまで良いものだと思っていないからだろう。

毎日様々思い悩みながら歩いている。

そんなことは、口には出さなかったけれど。

 

途中、カヌーレンタル屋さんの店の人も来た。

この人が美味しい果実ジュースを持ってきてくれた。

僕は料理を作りながら、二人の会話を聞いて、時々口を挟んだ。

二人共四万十川のこの場所、三里沈下橋が大好きらしい。

確かに良い風景だ。

 

店のお姉さんが去り、料理ができる。

南蛮漬けは良い出来。

お兄さんに食べさせると、焚き火でこんなちゃんと美味しくできるもんなのか、と驚いていた。

ナスはとろとろで味しみしみ。

焼いて漬けただけでこうなるとは思っていなかったよう。

これがナスのポテンシャルなのだよ。

 

やがて日が落ちると、美しい星空がやって来た。

河原に仰向けになって全身脱力して眺める星は絶好。

お兄さんにはくちょう座を教える。

綺麗な星座なのだ。

こと座も説明したが、やはり実際の形を見たことがない人に説明するのは難しく、こちらは分かってもらえなかったよう。

 

お兄さんが帰る前にオカリナで何か一曲吹いてほしいとリクエストしてくれた。

星の綺麗な静かな夏の夜。

何が良いか…そうだ、あれにしよう。

 

真夏の果実

 

 

歩いた距離:22km