歩いて日本一周ブログ

歩いて日本一周する記録とか雑記

面白きことは良きことなり!

僕は歩いている。

歩きながら思う。

歩くというのは不思議なものだ

 

遠くに見える山は、遠くにあるもので、徒歩では到底たどり着けないように見える。

しかし目の前の道や、左右の景色、地面などを見ながら歩いていると、気がつくと遠くから眺めていた山の中にいる。


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眼前に立ちふさがる山は、徒歩では到底越えられない壁のように見える。

しかし天気のことやご飯のこと、その他雑多なことを考えながら歩いていると、気がつくと山を越えていて、海に出た。


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車や自転車だと、進むということを意識するけれど、歩きだとあまりにゆっくり過ぎて進むということを意識しない。

進んでいる気もしない。

ただ地面を歩く虫を見つけたり、f:id:tabiroad:20240507171645j:image

広がる田んぼが綺麗だと眺めたり、f:id:tabiroad:20240507171723j:image
山の中の採石場を見て、頭の中で小さな子供が、「山が痛そう」と言っているのに、頭の中で僕が「そうだね」と頷いていたり、

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そうしているうちに、気がつくと進んでいる。

 

歩くとはそういうものだ、と思うと、歩くことがまた少し好きになった。

 

僕は今日も歩いている。

 

 

香川県に向かって歩いた。

まず香川県に東から入り、海岸に沿って歩き、途中どこかでWWOOFを使い、農作業を手伝いながら数日間その人たちと暮らす。

内陸に入り、香川県最高峰竜王山を目指しながら、寄り道して内陸部を回る。

竜王山から徳島の方に下りて、そこからは吉野川に沿って上流へ歩いていく。

そんな予定だ。

 

 

この辺りは、梨とさつまいもの産地のようで、あちこちに『梨』『さつまいも』と書かれた看板やのぼりがある。

僕は果物の中で梨が桃の次に好きだ。

みずみずしくて甘い梨が食べたい。

さつまいもも好きだ。

芋は何でも好きだけれど、焚き火で焼いたさつまいもは格別だ。

ホクホクのさつまいもが食べたい。

 

梨は季節ではないので売っておらず、さつまいもは袋売りや箱売りで高かったので買わなかった。

 

途中で、目の神社というのを見つけた。

どうやら目にご利益があるらしい。

気になったが脇道にそれて800mだ。

往復で1.6キロ。

身軽ならともかく、重荷を背負っているため億劫に感じてしまう。

迷ったが、寄り道を楽しめないなら歩き旅をする意味などない。

行ってみることにした。

 

手水場の前に、御神水と書かれた井戸のようなものがある。

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伝説によると、ここに祀られている神様が目を痛め、患った時にこの水で目を癒したそうだ。

そばに大きな柄杓があり、それで水を汲んで目を洗うと、目にご利益があると書いてあった。

 

神様が水で目を洗って治したからと言って、人間に同じことができるとは思えなかったけれど、ケチをつけても誰も得しない。

素直に目を洗ってみた。

 

僕は目が悪く、眼鏡をかけているが、眼鏡をとっても生活できる程度だ。

ほとんど生まれつき目が悪いようなものだったので、こちらは今さらだ。

ただ、数年前から肌が弱くなり、目の周りもよく荒れる箇所なので、目の周りが痒くなるのを治してください、と本殿で手を合わせた。

5円玉がなかったので50円玉を賽銭箱に投げた。

 

神水の辺りも、あまり気取ったところがなくただそのままの井戸であり、そこがまた本当に効きそうだった。

華美な装飾はなく、清掃が行き届いていて、人が少なくて静かな神社。

なかなか好みだった。

寄り道して良かった。

 

今書きながら気づいたのだけれど、ここで祀られている神様は、目を痛めた時に水で洗って治った神様であり、別に目の神様ではないのだから、目を治して下さいとお願いされても困るのではないだろうか。

 

 

その後も歩いて、今日の目的地である『きたなだ海の駅』に着いた。

そこに徳島や東かがわの観光パンフレットがあった。

パンフレットを眺めていると見てみたい場所がいくつも出てきた。

こういう現地にある観光パンフレットを見るのは良い手かもしれない。

とはいえ、観光地を見て回りたいわけではない。

あくまで回る候補探しの手段の一つとして心に留めておこう。

 

パンフレットを見て、やっぱり鳴門の渦潮は見ておこうと思った。

世界三大潮流とか、そういう言葉に僕は弱い。

将来的に世界を旅して回れば、全部制覇できるかも、とか考えてしまうのである。

 

鳴門大橋は歩いて渡れるようだし、渡ってみるのも一興。

旅はゆっくりであればあるほど良い。

心に余裕ができるし、様々なものが見られるからだ。

そのほうが面白い。

 

「面白きことは良きことなり!」

 

とは有頂天家族の名台詞だ。

 

今日はまだ歩けそうだったので鳴門の方へ歩き始めた。

途中でお腹が空いたが、コンビニなどの店は周りにない。

 

僕の朝食と昼食は大抵、昨晩の夕食時に多めに炊いておいた米にふりかけをかけたものである。

しかし昨日はカップ麺だったので、米は炊いていない。

朝はバナナを3本食べた。

昼も適当な店で安いものを買おうと思っていたのだけれど、もっと安く、良いものがあるだろう、と店をスルーしているうちに、店のないところまで来てしまった。

 

仕方がないので僕はとっておきの行動食を取り出した。

練乳である。

チューブに入った練乳は素晴らしい行動食だ。

これをそのままチューブに吸い付いて飲む。

 

最初に聞いた時はそんな馬鹿な、と思ったものだが、やってみるとこれが良い。

まず、原材料が生乳とショ糖だけなのでエネルギー効率が良い。

さらに保存がきく。

そして疲れた体にはこれが喉を通りやすく、しかも美味いのだ。

 

練乳チューブを取り出す。

賞味期限は一月前。

問題ない。

 

何度かに分けて飲むつもりだったが、美味いので一回で飲み干してしまった。

加えてお魚ソーセージを二本。

これでまた歩けそうだ。

 

鳴門スカイラインを行く。

車の他に、バイク、自転車がツーリングしている。

僕は歩いた。

 

四方見展望台まで来た。内海が見渡せる。

まるで湖のよう。

休めそうな砂浜もいくつか見える。

カヌーをやる僕は、カヌーで回りたくなった。


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今日進むのはここまでにした。

ここの夜景が綺麗だと思ったから。

 

明日のことを考えた。

鳴門の渦潮を見て、鳴門大橋を歩いて渡り、戻って香川を目指す…

その予定だったのだけれど、考えてみれば淡路島に上陸するのだ。

見て回らないのはもったいない。

それに良さげな浜もいくつかある。

淡路島は一周すると何キロだろう?

そうか150キロか。

意外と大きいんだな。

 

…一週間あれば回れるか?

 

ということで急遽予定を変更し(急遽も何も、予定など最初からないようなもので今日の朝決めたものだが)、淡路島を歩いて一周することにした。

そのほうが面白い。

 

面白きことは良きことなり!

 

淡路島はついでのようなものなので、今のところ海岸に沿う一周だけで、中の方をじっくり回るつもりはない。

ちょっとした寄り道はするかもしれないけれど。

 

淡路島は確か玉ねぎの産地だ。

前行った時、あちこちに玉ねぎが無造作に吊り下げてあった。

玉ねぎなら、カレーにでもしようか。

いいな、カレー。

美味いだろうな、カレー。

今からカレーが楽しみで仕方がない。

 

 

歩いた距離:33km