歩いて日本一周ブログ

歩いて日本一周する記録とか雑記

足裏トラジディ

土器川

竜王山までまだ結構かかるだろうと思っていたのだけれど、昨日かなり進んだおかげで今日か明日には竜王山手前の道の駅に着きそうだ。

 

今日も川に沿って歩く。

一級河川土器川だ。

土器川は両側を人工的なコンクリで固めてあるものの、その幅は広く、川の本流とは接していない。

コンクリの壁があり、岩や草の自然な河川敷があり、中心辺りを川が流れている。

 

また、時々コンクリで川に段差が設けられている。

これは洪水時に流れの勢いを減速させるためのものだ。

 

ぱっと見では人工的な雰囲気を感じず、自然な川に見える。

良い川だな、と思ったのだけれど、水が綺麗ではない。


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汚いと言うほどではないけれど、沈んだ石は苔ではなく汚れのようなもので覆われている。

あまり綺麗でない川はこうなる。

 

また、水面に白い泡が浮いている。

これはただの気泡ではない。

綺麗な水ではこうはならない。

これは何だろうか?

洗剤の泡と似ている。

生活排水か?

しかしさすがに浄水場を通さず川に流してはいないだろう。

となると農業排水か。

除草剤や農薬などの農業用の薬で川が汚れているのだろうか。

 

もしそうだとして、どうすれば川が汚れないようにできるのか。

今農薬を使っていない農家などそう多くはない。

農薬は一般的なものだ。

除草剤だってそうだ。

七十過ぎのお爺さんお婆さんに、重い草刈り機は持てないだろう。

代わりにやってくれる人はいない。

 

しかし、実際に綺麗な川もあるのだ。

その近くでも農業は行われている。

その川はなぜ綺麗なのか。

これは聞いてみないと分からないだろう。

綺麗な川の地元の農家さんなら、川が綺麗な理由を知っているかもしれない。

そして比較のため、あまり綺麗でない川の農家さんにも話を聞く必要がある。

 

旅をして、自分の目で見て考えることが重要だと思っていた。

それは間違いない。

けれど、この旅では地元の人の話をもっと聞く必要がある。

それを、今日気付いた。

 

まあしかし、仕事をしている農家さんは、割と無愛想なことが多い。

経験上、挨拶しても無視されるか、小さい声で何かよく聞き取れない言葉が返ってくる印象がある。

僕もコミュニケーションが得意な方ではないから分かるのだけれど、これは知らない人と話すことに慣れていないのだと思う。

特定の人としか話さず、突然話しかけることがない生活をしていると、突然話しかけられても反応できず、声を出す前に相手が行ってしまうか、咄嗟に視線を逸らしてしまったりする。

 

僕がコミュニケーション能力の高い人間ならそんなことは気にせず話せるのかもしれないけれど、少なくとも今日のところは農家さんと話すことはできなかった。

こんにちは、と挨拶して、こんにちは、と返ってきて、相手はもう終わったと思って仕事に戻るけれど、そこにさらに話しかける。

そして、この川が汚いのは、農業排水のせいですかねぇ、と切り出す。

なかなか難しいけれど、やる意味はある。

 

コミュニケーションも人と話していれば鍛えられるだろうし、旅の途中では特に目的がなくても話しかけてみるか。

 

 

足裏トラジディ

土器川から支流の明神川に入った。

川は上流に行くほど綺麗になる。

やがて、水があるのか分からないほど、川底が綺麗に見えるようになってきた。

 

目指していたのは、竜王山手前の道の駅だけれど、一回で行くにはなかなか遠かったので、2回に分けて行こうかと考えていた。

しかしあまり良い野営場所もないし、行けそうなら道の駅まで行ってしまいたかった。

 

結果、道の駅まで行けそうな距離まで近づいた。

しかし足の裏が痛い。

また、頭が少しかゆい。

体は水タオルで拭けても、頭はそうはいかない。

髪が邪魔なのだ。

結果、頭を洗わない状態が続き、痒くなる。

 

ちょうどすくそばに綺麗な川が流れている。

ならばやることは一つ。

行水である。

パンツ以外を全て脱いで川に入った。

冷たい!

そして痛い!

歩くと痛い。

痛い痛い痛い本当に痛い。

 

川底を裸足で歩くと、足つぼマッサージの強化版のような激しい痛みに襲われる。

しかも今はただでさえ足裏がダメージを負っているのだ。

激痛が走った。

 

何とか痛くない石の上に立ち、頭を川に突っ込んで洗う。

冷たい。

よく晴れて気温は高めだが、川の水はまだまだ冷たい。

髪を洗うと、どうせならと全身洗うことにし、全部脱いで全身洗った。

 

 

ビール

道の駅に着いたが、閉まっていた。

火曜日は定休日らしい。

まあ、着く前に少し前の看板で、知っていたのでダメージは少ない。

山越えの前に明日は休憩するつもりなので、明日でいいだろう。

 

キャンピングカーの後列の扉を開けて、椅子に腰掛けビールを飲んでいる人がいた。

話しかけてみるか。

 

その人は定年手前にして仕事をやめ、キャンピングカーで日本を旅しているらしい。

実はまだ5日目なんだとか。

僕がカヌーの話をすると、その人も少しやるのだと言う。

カヌーで冒険した人の本を持ってきていたらしく、それを見せてくれた。

読んだことはないが知っている本だった。

 

歩いて日本一周していると言うと、若いと夢があっていいなぁ、と言っていた。

しばらく話して去ろうとすると、待って、と言って、キャンピングカーの小さな冷蔵庫からビールを取り出して、くれた。

ビール。

何日ぶりのビールだろうか。

「ありがとうございます!」

 

お互い楽しみましょう、と言って別れた。

ビールが楽しみで仕方ない。

やはり、人には積極的に話しかけることにしよう。

 

 

夕食

今日の夕食は卵丼だ。

卵丼とサニーレタスのサラダ、そしてキリン一番搾り生ビール。

素晴らしい。

 

やはり卵は便利だ。

常備しておきたい。

玉ねぎもなかなか良い。

今使っている玉ねぎは一個60円程と普通の値段で買ったが、サイズは普通の1.5倍くらいある。

米が無くなりそうだ。

2キロで買うとすぐなくなるが、重いしでかいので仕方ない。

しばらく米が買えないような場所に行く場合は多めに買えばいい。

 

明日は休みだ。

この前も休んだが、一日休んでも実は疲れは取り切れない。

完全回復するには、4日ぐらいは休む必要がある、が、それはやってられない。

進まないから。

 

それでも山越えの前は休息を取るべきだ。

山越えはいつもより体力を使う。

いつもより動けなくなった時のリスクが高い。

慎重にいこう。

 

 

歩いた距離:28km