高知へ
道の駅やすを出て、高知の中心部へと歩き出す。
ゆっくり歩けば、そんなに疲れない。
高知平野へと近づくと、どんどん街が賑やかになっていく。
これまでかなりの田舎を通ってきたので、久しぶりに街に来た気がする。
iPhoneの普及した年代を思わず調べたくなる看板を見つけた。
途中でワークマンがあったので入る。
靴と靴下に穴が空いていて、そろそろ替え時だったのだ。
ワークマンは、作業用の傷つきにくい靴や靴下が安く売っている。
良いのもあったが、ワークマンはこの先にもある。
いつでも買えるのなら、もっとボロボロになって、歩くのに支障が出てから買い換えることにしよう。
どうせ新しいのを買ってもすぐに穴が空くのだから。
農家さんに
歩いていると、トラックに腕をかけたおっちゃんに声をかけられた。
「日本一周しゆうんか」
少し話した。
おっちゃんには旅人の知り合いもいるらしい。
しばらく話すと、
「自販機でジュースでも買ってやりたいが、金あったかな…ないわ」
金がないことを確認すると、トラックに載った、これから出荷するだろう野菜に目を留めた。
「自分自炊しちゅー?」
「はい」
もしかして、と期待すると、トラックにあったピーマンの袋詰をぼんぼんと3袋くれ、それから
「重くなるきぃ、ごめんけど」
と言って、大きな麻袋からごろごろと大きなじゃがいもを取り出し、袋に入れてくれた。
実は、農家さんに野菜をもらうというのは、旅で経験してみたかったちょっとした夢であった。
なので、お金を渡されるよりもジュースを買ってくれるよりもずっと嬉しい。
こんなにたくさんのピーマンとじゃがいも、さて、どう調理しようか。
いつもみたいにケチケチせず、豪快に使える。
最高だ。
ありがとうございます!
高知市
高知市に着いた。
路面電車がいくつも走っている。
いいよ。
さて、高知市中心部ではいくつかやりたいことがある。
それが終わった後も、梅雨なので動けないかもしれない。
そこで、どうしても拠点がほしい。
店に出入りするのに、ザックは大きすぎるし、市内を歩き回るのに常にザックを背負っているのは、フットワークが重くなる。
どこかにテントを張ったままにして、貴重品と必要なものだけを持って出歩くのが理想だ。
しかし、夜だけならともかく、日中もテントを張ったままにするのは場所をかなり選ぶ。
悩んだ結果、やはり橋の下がベストだと判断した。
実際にいくつか見てみると、おあつらえ向きの場所がある。
思ったよりも人通りがあるが、通行の邪魔にもなっていないし、ここにテントを張って困る人はいないだろう。
拠点が決まると、とりあえず安心だ。
近くには図書館もあるし、スーパーもある。
高知市中心部なのだからなんでもある。
体が臭いので、銭湯に行った。
帰りにスーパーによる。
今日はカレーにしよう。
もらったじゃがいもの前に、食べきらないといけないじゃがいもがある。
実は今日歩いていると連絡があり、明日は僕が在籍していた大学の探検部の友人が来てくれるらしい。
突然である。
まあ、奴の行動は読めない。
楽しい一日になるといいな。
歩いた距離:23km