歩いて日本一周ブログ

歩いて日本一周する記録とか雑記

旅の計画

そういえば、どこから出発して、どこを目指すのか、ということすら書いていないことに気がついた。

 

記録としても、必要な情報だ。

歩いた軌跡は、グーグルマップのロケーション履歴によって、一応記録されている。

とはいえ、スマホの電源が切れると記録されないことから、全ての歩行記録をとることはできないだろう。

 

出発点は、奈良だ。

昨日、今日合わせて30kmちょっと歩いて、今は奈良の葛城山手前にある道の駅にいる。

 

まず目指すのは四国だ。

和歌山県の北西端、大阪南西端から入ってすぐの辺りから、四国への船が出ている。

船に乗った時点で、厳密には歩いて日本一周はできていないのだが、徒歩の経路が存在しない場合はやむを得ず乗り物を使う。

 

四国へは、大阪を通っていく。

この旅では、各都道府県を素通りせずにしっかり回ることにしている。

しかし、大阪にはあまり自然がないので、正直気乗りしない。

そこで、まず大阪府最高峰の葛城山大阪府最高地点のある金剛山を登り、大阪府唯一の村である千早赤阪村を通って四国行きの船着き場を目指す。

これで大阪府の南部で見ておきたい所は大体見られる。

大阪府北部は、九州まで行って帰ってくる時に回るつもりだ。

 

ちなみに、和歌山、奈良は日本一周の最後に回る。

 

 

今日は、良いことがあった。

 

歩いていると、正面から歩いてきたおばさんに「後ろ、なんて書いてあるんですか?」と尋ねられた。

いきなりのことだったので、何かの注意を受けるのかと身構えながら背中を見せた。

背中には当然ザックがあり、そこには『歩いて日本一周中』と書いた木の板がぶら下げられている。

 

これは主に、不審者と間違えられることを防ぐために付けたものだ。

少し変な所で野宿や怪しい行動をしていても、これを見れば察してもらえるかもしれない。

 

日本一周を二日前に始めたばかりだと説明すると、どこか嬉しそうに頷いた。

彼女は、車で後ろから歩いている僕を見て、興味を持って車をすぐ前のコンビニに止めて下り、話しかけてくれたそうだ。

お遍路さんをやったことがあり、重そうな荷物を持って歩いている人を見ると、つい気になるのだと言う。

 

同じようなことをしたことがある人と話すのは、仲間を見つけたようで嬉しいものだ。

 

彼女はハッとしたように、その場で待っているように僕に言うと、車に戻ってしばらくごそごそしていた。

戻って来ると、折りたたんだ千円札2枚と、開封前のガムを手に持っている。

 

「今車に何もなくて、こんなものしかあげられないけど、何かの足しにして」

と、車に良いものがなかったことを残念そうにそれらをくれた。

 

からしたら、降って湧いたような幸運である。

金もないので、二千円はもちろん嬉しいし、ガムなんて自分ではもったいなくて買えないのでこちらもありがたい。

 

けれどなにより、その気持ちが一番嬉しい、とはこういうことを言うのだと思った。

 

まだ二日しか歩いていないのに、こんなことがあっていいのだろうか。

必ず日本一周をやり遂げようと改めて思う。

 

 

さて、今日は他にも、面白い出会いがあった。

腰折田という地名の場所は、相撲の元となった昔の立ち合い、當麻蹴速と野見宿禰の試合にちなんでその地名がつけられたらしく、相撲発祥伝承地として、像や記述があった。


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野見宿禰はバキ道という漫画に出てくる。

そのため、この決闘についても知っていた。

ただ、公式に認められた記述を読むと印象も違う。

 

牛を生身で絞め殺したという力自慢の蹴速に対し、我こそは日本一と決闘相手になった宿禰

その結果が宿禰の蹴り一発で、蹴速の腰の骨が砕け、死に至り、すぐに終わったと言うのだから、なまじ壮絶な戦いが描かれるよりも現実感がある。

 

壁のない土俵で、蹴りの力だけで普通より丈夫であろう人間の腰骨を砕くとは、昔の力自慢はまさに別格だ。

 

相撲の手を前に出して構える姿勢は、ひょっとして蹴りに備える体勢から生まれたのだろうか。

 

 

明日はいよいよ登山だ。

葛城山は900~1000mだったはず。普段ならなんてことはない山だ。

金剛山まで縦走したこともあるが、水越峠でかなり下るので、金剛山にまた登らないといけないのが大変だった。

 

今回は荷物の重さに加え、今日までの疲労が問題になる。

昨日から左足首が少し痛んでいるが、歩ける程度だ。

また、腰でザックを支えるため、腰を挟むことによるダメージが蓄積している。

肩の痛みは、今日は昨日程ではなかった。

筋肉の疲労は今のところ問題なさそうだ。

 

最初は身体がザックの重さと毎日長距離歩くことに慣れていないので、身体的につらいことが続くだろう。

1ヶ月後にはもう少し慣れているだろうか。