歩いて日本一周ブログ

歩いて日本一周する記録とか雑記

讃岐うどん

朝5時半起床。

体が疲れているので、できればあと2、3時間寝ていたかった。

しかしここは普通の公園なので、堂々とテントを張っていられる場所ではない。

7時には撤収しなければ。

 

近くにトイレがあったので用を足し、顔を洗う。

テントを撤収して歩き出した。

とりあえず、図書館を目指そう。

 

雨が降っているので傘をさす。

頼りない折りたたみ傘は風に煽られて悲鳴を上げている。

上下のレインウェアも持っているけれど、乾かすのが面倒なのであまり着たくない。

 

コンビニで少し休憩。

食パンを買って食べる。

 

図書館に着いた。

 

 

夜は短し歩けよ乙女

雨が降っている。

こういう時は屋内で読書に限る。

 

図書館は良い。

広くて、静かで、椅子に座って、机に肘をついてゆっくり本が読める。

どれだけ長く居ても変に思われない。

無料で僕が長時間ゆっくりできる数少ない屋内の一つだ。

 

何を読むか悩んだけれど、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』に目が止まる。

そういえば大学時代、僕の所属していた探検部の新歓企画で、夜中の河川敷をひたすら遠くまで歩く、という企画があった。

僕は参加しなかったけれど、その時に企画者の誰かが『夜は短し歩けよ乙女』について話していた気がする。

ひょっとするとこの本を元にして考えた企画だったのかもしれない。

 

すると、森見登美彦なので舞台は京都だろうし、この本は乙女がひたすら鴨川河川敷を歩く話なのだろうか。

面白そうなので読んでみることにした。

 

読み終わってみると想像とは全然違う話だったのだが、とても面白かった。

森見登美彦の作品の特徴は、『愛すべき』人や人外が出てくる『愛すべき』世界であることだろう。

森見登美彦自身、この『愛すべき』という言葉をよく使う。

愚かだったり、馬鹿だったり、嫌な奴も多いのだけれど、どこか憎めない。

でも、これでいいんだよなぁ、と思わせられる。

すると、自分の人生の悩みや嫌なことも、まあ、これでいいのかなぁ、と思える。

 

また、森見登美彦作品には別の作品の登場人物や登場物が出てくることもしばしばあり、そこが楽しみでもある。

有頂天家族金閣銀閣と呼ばれる阿呆タヌキが作っていた偽電気ブラン夜は短し歩けよ乙女にも出てくる。

とても美味しそうだ。

京都のとある場所で実際に飲めるらしい。

京都を通る時には飲んでみよう。

 

 

讃岐うどん

讃岐うどんのさぬきとは、さぬき市のさぬきではない。

かつて、今の香川県一帯を讃岐と呼んでいた。

四国とは、元々讃岐、阿波、土佐、伊予であり、それぞれ現在の香川県徳島県高知県愛媛県である。

昔の四国の呼び名は現在にも残っている。

讃岐うどん阿波踊り土佐日記伊予柑など。

 

つまり何が言いたいかというと、讃岐うどん香川県全体で食べられる。

しかし、香川の東の方で地元の人に言われたことによると、

 

『うどんは西が美味い』

 

そうだ。

さぬき市は東の方にある。

では西には何があるのか。

丸亀市である。

かの有名な丸亀製麺は、讃岐うどんの激戦区からやってきている。

 

また、きたなだ海の駅で手に入れたパンフレットでは、讃岐うどん食べ歩きマップとして高松市うどん屋が紹介されていた。

高松市香川県の真ん中辺りだが、ここもうどん的には西に入るのかもしれない。

うどん屋の激戦区である。

 

うどんは安く、普通のかけうどんなら300円しない店も珍しくない。

ただし、14時には閉まってしまう店も多いので注意が必要だ。

 

僕は今日の昼食をうどんにするつもりだった。

しかし、行く予定だった行列のできるうどん屋は、行列がなくなるであろう時間を待ってから行くとすでに閉まっていた。

そこで別の店にした。

 

うどんバカ1代、という手打ちうどんの店だ。

 

午後2時過ぎにも関わらず、店内は賑わっていた。

一番安いかけうどんにした。

小、中、大、と大きさがあるが、こういうのは、大にしないと後悔することが多い。

大を頼んで、ちくわ天をトッピングに選んだ。

 

席について待っていると、すぐに呼ばれる。

取りに行くと、その大きさに驚いた。

ラーメン鉢の倍ほどもある器にたっぷりうどんが入っている。

香川の人はうどんを飲むというが、だからこの量なのだろうか。

これなら、中サイズに金をケチっても良かった。

まあ、多すぎて困ることはない。

 

次に驚いたのは、汁が透明だったことだ。

僕はかけうどんとぶっかけうどんの違いも知らないド素人なので、かけうどんと言えばめんつゆを薄めたような出汁醤油の色をしていると思っていた。

透明なので、かけうどんとは水にうどんだけ入って出てくるのか?

と一瞬思い、セルフで出汁醤油をいれる場所がないか辺りを見回すが何も無い。

 

箸を汁につけて舐めると、しっかり出汁の味がする。

ああ、こういうものなのか。

そこでネギと天かすをたっぷりかけて一口すすった。

 

何だこれは。

 

間違いなくこれまで食べてきたうどんとは一線を画す美味さである。

もしこれが本当のうどんだと言うのなら、これまで食べてきたのは全てうどんもどきになってしまう。

もきゅもきゆとコシのきいたうどん。

うどんに絡まるスッキリとして旨味に溢れるたまらない出汁。

天かすを一緒に口にいれるとさらに幸せになれる。

置いてあったごまを擦り入れ、七味をかける。

うまいうまい。

 

ちくわ天がまた美味い。

うどん、ちくわ天、うどん、うどん、ちくわ天…

あれだけあったうどんは、あっという間になくなり、出汁も飲みきってしまった。

 

素晴らしく美味しかった。

これが讃岐うどんか。

ご馳走様でした。

 

これは日本国民全員が食べるべきだ。

これを読んだ皆もぜひご賞味あれ。

 

 

夜公園にいる男

僕だってできるなら海岸などの自然の中にテントを張りたい。

しかし、僕が都市にいる間も夜はやってくるわけで、そういう時、僕は公園にテントを張る。

 

子供が遊ぶ場所として設置された公園に、真夜中にテントを張って寝る成人男というのは、自分でもかなり不気味だと思う。

しかし、都市で誰の迷惑にもならない場所と言うと、公園ぐらいしかない。

あとは橋の下とかだが、橋の下も行けるようになっているところとそうでないところがある。

公園なら大抵どこにでもある。

 

夜暗くなってから、誰も公園に立ち寄らない時間になってからひっそりとテントを張り、翌朝、誰かが来る前に撤収する。

 

こういう時、暗くなるまで滞在できる場所があると助かる。

それが僕が今居るマルナカというスーパーのマルカフェなる休憩所である。

カフェと言うが、特に何も買わなくても休めるし、コンセントまである。

とはいえ、別に意図したわけではないけれど、マルカフェを利用するときは毎回、僕は何か買っているので、一応店には貢献している。

 

都市にいる時、僕はちょっと肩身が狭いけれど、四国ではそういう時もどこかしら休める場所があるのでありがたい。

 

コンロは今日無事に発送されたそうだ。

明日はまだ受け取って歩を進めるほどの時間はないだろう。

 

そろそろ服を洗わないといけない。

ちょっとこの辺には、洗って服を乾かせる場所はないかもしれない。

コインランドリー、高いからあまり使いたくはないのだけれど…。

 

外はもう真っ暗だ。

そろそろ、手頃な公園を探し歩こう。

 

 

歩いた距離:16km