熱は下がった。
しかし胃腸の調子が悪く、下痢が出る。
食欲もあまりわかない。
今日は水に砂糖と塩を溶かした自作スポーツドリンクのみを飲んで過ごした。
午前9時頃、日が出てテント内が蒸し暑くなってきた時、外からおじさんに声をかけられた。
入口は開けていたので、体を起こせば目が合う。
どうしたのかと思うと、大丈夫か、熱でもあるのかと聞かれた。
この暑い中ずっとテントの中にいるから心配になって声をかけてくれたらしい。
実は一昨日から熱があってここで休んでいたけれど、熱はもう下がったから大丈夫です、休んでいれば時期治ります、と答えると、そうですかとなおも心配そうにしている。
一度はそれで帰っていったと思ったけれど、すぐに引き返してきて、すぐそこにお遍路さんのための小屋があって、涼しいからそちらで休まれてもいいかもしれないと言ってくれた。
やはり暑いので、言われた場所を探してみると、すぐそこに小屋があって、寝れるスペースがあり、屋根で日陰だし風も通らない。
休むにはうってつけだった。
教えてくれたおじさんに感謝して、そこにマットを敷いて寝ることにした。
昼過ぎに足音が近づいてきて、入口で止まっているので、入らないのかと目を開けると、ここを教えてくれたおじさんだった。
家がすぐ裏手にあるから気になって、と言った。
大丈夫か、食べ物はいるか、水を汲んでこようか、と随分心配してくれる。
食欲がないから食べ物はもらえない。
夕方になって食欲がわいたらにゅうめんでも茹でるつもりだから大丈夫ですと答えると、食べ物は持っとるんやね、とほっとした様子だった。
自分の家はすぐ裏手にあるから、水道は勝手に使っていいし、何かあったら言ってくれと残して帰っていった。
良い人だ。
見ず知らずの人間相手にここまで親切にできるものだろうか。
なかなかできることではない。
夕方になっても、胃腸の調子は良くならなかった。
陀羅尼助丸という薬を飲んでみた。
明日は治っているといいのだが。
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